糖尿病まとめ【心配になったら後悔しないために読んでおきたい】

糖尿病に対してあなたがこんなにも不安なのはなぜでしょうか?



糖尿病を正しく理解できていないから、
糖尿病である自分の今の状態がわからないから、
飲んでいる薬のことがわからないから、
糖尿病治療にいくらかかるか知らないから、
不安な気持ちを相談できるかかりつけ医がいないから、
糖尿病を良くするために今日からできることを知らないから、
あなたの不安は何でしょうか?

糖尿病を正しく理解し、
糖尿病である自分の状態を理解し、
飲んでいる薬のことを理解し、
糖尿病治療にかかる費用がわかり、
不安なことを何でも相談できるかかりつけ医がいて、
糖尿病を良くするために今日何をすればいいか知っていれば、
あなたの不安は軽くなるはずです。

あなたの糖尿病、このままの治療を続けていいのでしょうか?
糖尿病について、間違った考えをもっていないでしょうか?

どなたでも理解できるように糖尿病についてまとめてみました。
糖尿病についてくわしくなって、ご家族やお友達にアドバイスをしてあげてください。


目次






糖尿病とはどういう病気?

あなたも誰かに教えて自慢できる、糖尿病のキホン

糖尿病をひとことで言うならば

糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが十分に働かなくなり、血糖値が高い状態が続いてしまう病気です。
体の中にあるインスリンの量が少なくなったり、インスリンがたくさんあっても十分に働かなくなったりすると発症します。
インスリンは糖尿病や肥満と深い関わりがあるホルモンです。
名前だけでもしっかり覚えておきましょう。
治療では食生活の改善(食事療法)や効果的な運動習慣(運動療法)が大切で、必要に応じて飲み薬や注射薬による治療を行います。

糖尿病になることがなぜ心配なのか?

糖尿病の恐ろしいところは、長年高血糖の状態が続くことで、動脈硬化(血管がボロボロ)や網膜症(眼がみえなくなる)、神経の障害(手足の感覚がおかしくなる)、腎臓病(尿がでなくなり人工透析になってしまう)などの合併症を発症するところです。
そして、心筋梗塞や脳梗塞をはじめ、失明や足の切断、人工透析など、命に関わったり、今まで通りの暮らしができなくなる病気を引き起こしたりすることになります。
また、インスリンの働きがより悪くなると、意識がおかしくなったり(意識障害)やいくら体をゆすっても目を覚まさなく(昏睡状態)なったりすることもあります。
糖尿病を長い間放っておくと大変なことになるということです。

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なぜ糖尿病を治さなければいけないか

あなたはたぶん大丈夫だろうと思っていませんか?

糖尿病をそのままにしたらどうなるか知りたい

なぜ糖尿病を治さなければならないかを考えるより、糖尿病をそのままにするとどうなってしまうかを考えた方がいいかもしれません。
糖尿病をそのままにすると、たくさんの尿が出るようになり、いつものどが渇くので、たくさん水分をとるようになります。
体が重く感じるようになり、「具合が悪い」「体調が悪い」などと感じるようになります。
お仕事、勉強、家事など、今までできていたことが上手くできなくなってきます。
体調不良のためにお仕事を休んだり、体を動かすのがつらくなったり、日常生活にかなり影響がでてきます。

血糖値が高いのに、体重はどんどん減っていきます。
突然意識を失ってしまうこともあります。
眼はかすんで、だんだん見えなくなります。
手足はつねに薄い靴下を履いたような感覚になり、手足にケガをしても気づかない方もいます。
手足にピリピリと痛みを感じてくることもあります。
足がむくむようになり、あれほどたくさん出ていた尿がだんだん出なくなります。
尿が出なくなると、老廃物を体の外に出せなくなり、脳を含めた体の機能すべてが失われてしまいます。
そして、これ以上生きていくことはできなくなります。

糖尿病の経過中にあなたに起こる怖いこと

実は、失明や人口透析になってしまうこと以上に、糖尿病で怖いことがあります。
それは、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患です。
糖尿病の経過中に、これら心血管疾患は前触れもなく突然あなたの身に起こり、あなたは二度と眼を覚ますことができなくなるかもしれません。
糖尿病が動脈硬化を悪化させ、心血管疾患があなたの身に起こります。
しかも、ある程度進んだ動脈硬化は後戻りできません。

健康診断で血糖値がひっかかった方、早めに医療機関を受診しましょう。
糖尿病を治療中の方は、かかりつけの先生とよく話し合い、きちんと通院を継続してください。

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糖尿病の型

あなたの糖尿病はどちらの型でしょうか?

1型糖尿病、2型糖尿病の違い

糖尿病は原因によって1型と2型、その他の原因によるものに分かれます。
1型糖尿病は膵臓(スイゾウ)でインスリンを分泌するβ(ベータ)細胞が破壊され、インスリンの分泌量が少なくなることで発症します。
体のなかのインスリンそのものが少なくなってしまうので、注射によるインスリンの補充が必要です。
1型糖尿病で、膵臓(スイゾウ)でインスリンを分泌するβ細胞が壊される原因は、現在でもよくわかっていません。

そして、私たちが想像する糖尿病のほとんどは2型糖尿病です。
2型糖尿病は患者さんが元々持っている遺伝的な原因に、よくない生活習慣を続けることで発症します。
遺伝的な原因があるため、家族や血縁者に糖尿病の患者さんがいる人は要注意です。
また、過去から現在にかけて肥満の時期がある人は2型糖尿病を発症するリスクが高くなります。
40歳以上で発症することが多いですが、最近は若い年代での発症も少なくありません。
2型糖尿病の患者さんではインスリンは体の中にあるものの、インスリンの作用が効きにくい状態になっています(インスリン抵抗性)。
インスリンが体内に残っているため、重症でない限りはじめからインスリン注射による治療を行うことは少なく、まずは食事療法や運動療法が実施され、その後必要に応じて飲む薬や注射による治療が行われます。

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糖尿病の原因

あなたはなぜ糖尿病になってしまったのか?

1型と2型糖尿病の発症原因の違い

1型と2型の糖尿病では発症する原因も違います。
1型糖尿病の患者さんは、体の中の免疫システムが間違って膵臓(スイゾウ)のβ(ベータ)細胞を攻撃することや、他の何か分からない理由で発症します。
くわしいことはまだよくわかっていません。

2型糖尿病の原因は、食生活と生活習慣の乱れが原因です。
ご飯、パン、麺類などの炭水化物を多く食べ過ぎている方が多いと思われます。
あなたはいかがでしょうか?
2型糖尿病では、患者さんは元々インスリンの出る量が少なくなったり、インスリンの効きが弱まったりする遺伝的原因を持っています。
この原因に次のような原因が加わると、インスリンの働きが悪くなり、血糖値があがり続け、糖尿病を発症します。

・食べすぎ
・運動不足
・肥満
・ストレスの多い生活
・加齢

その他、次のような状態になった場合にも糖尿病を発症したり、血糖値が上がってしまったりします。

・遺伝子の異常
・膵臓(スイゾウ)の病気
・肝臓の病気
・薬や化学物質の影響
・感染症
・がん

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糖尿病の症状

あなたの現在の症状を教えてください?

糖尿病の症状を今すぐ確認できます

初期の糖尿病ではほとんど症状がありません。
そのため、自分が気付かないうちに糖尿病になっているということもあります。
糖尿病の症状は、高血糖が続くことによる症状と、糖尿病の合併症による症状があります。
糖尿病の合併症はいきなり最初からみられることはありませんので、まずは高血糖が続くことによる症状がないか確認することが大切です。
健康診断などで血糖値の異常があった方で、高血糖が続くことによる症状がまだみられなくても、安心せずにかかりつけの先生に相談することもお考えください。
ご家族に糖尿病の患者さんがいるならば、今どういった症状があるか聞いてみるのもいいかもしれません。

高血糖が続くことによる症状

・多尿(タニョウ)(トイレの回数と量が多い)
・口渇(コウカツ)(多尿で水分が失われのどが渇く)
・多飲(タイン)(のどが渇いて水分をたくさんとる)
・体重が減る
・疲れやすい

高血糖が続くと体の中で何が起こってくるのか?(その1)

炭水化物(ご飯、パン、麺類、甘いものなど)が多めのあまりバランスの取れていない食生活を続けていると、血糖値が上がってきます。
血糖値が高いために尿の中にも糖があふれてきます(これが尿糖です)。
尿の中に糖が出ていく時に、一緒に水分も尿の中に連れていきます。
こうなるとたくさんの尿が作られる(多尿(トイレの回数と量が多い))ようになります。
多尿によりたくさんの尿が出ると、体の水分は減ってしまいますので、のどが渇く(口渇(多尿で水分が失われのどが渇く))ために、たくさん水を飲む(多飲(のどが渇いて水分をたくさんとる)ようになるということです。

こういったあまり良くない食生活のために血糖値が高い状態が続くと、血糖値を下げようとしてたくさんのインスリンが膵臓(スイゾウ)から出るために、体重が増えていきます。
さらに同じような食生活を続けていると、血糖値が高い状態が続いたために血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなっていき、血糖値は上がり続けていきます。
そして、膵臓(スイゾウ)はたくさんのインスリンを出すことに疲れ、インスリンの量が減ってしまいます。
高い血糖が続くために、インスリンの効きが悪くなったり、膵臓(スイゾウ)からインスリンがあまり出なくなったりすることを、糖毒性(とうどくせい)といいます。

インスリンが少なくなることで血糖値はさらに上がり続け、インスリンの量や効きが悪いために、身体は糖分を栄養としてうまく使えない状態となってしまいます。
そうなると、増えていた体重が逆にだんだん減っていってしまい(体重が減る)、体に力が入らなくなってきてしまいます(疲れやすい)。

糖尿病の合併症による症状

・視力の低下
・手足のしびれ
・足がつる
・手足に痛みを感じる
・勃起障害(ED)
・無月経
・発汗異常
・便秘や下痢
・足の傷が悪化し、皮膚に穴が開いたようになったり、壊死したりする

高血糖が続くと体の中で何が起こってくるのか?(その2)

血糖値が高い状態が続くと、血管の内側にある膜が傷んできて、血管が硬くなりボロボロになっていきます。
血管が硬くなりボロボロになることを、動脈硬化といいます。
動脈硬化が進むと血管の中が狭くなり、血管の中を流れる血の流れが悪くなり、ついには詰まってしまいます。
血管は細い血管から詰まっていくようなイメージです。
細い血管とは、眼の血管、腎臓の血管、神経の周りを流れる血管をイメージしてください。
眼の血管が詰まっていくと、糖尿病網膜症が発症します。
腎臓の血管が詰まっていくと、糖尿病腎症が発症します。
神経の周りを流れる血管が詰まっていくと、糖尿病神経障害が発症します。
糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害については、慢性合併症でくわしく知ることができます。

細い血管以外のやや太い血管でも動脈硬化が同時に進むことがわかっています。
心臓に流れる血管が詰まっていくと、狭心症、心筋梗塞などが発症します。
脳に流れる血管が詰まっていくと、脳卒中が発症します。
動脈硬化は様々な血管に起こり、その部位によりそれぞれの病気が発症するのです。

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糖尿病の合併症

糖尿病になったらまずは知っておきたい

糖尿病をしっかり治療しないとあなたに起こること

糖尿病の治療がうまくいかないと、あなたには糖尿病の合併症が起こってきます。
前述したような糖尿病の合併症の症状がみられてきます。
これを読んでいる方にも、ご自分の症状に心当たりがある方がいるかもしれません。
糖尿病の治療の目的は、糖尿病の合併症が起こらないようにすること、糖尿病が原因で寿命が短くならないようにすることです。
糖尿病の合併症は、急に進行する急性合併症と、比較的ゆっくり進行する慢性合併症があります。

急性合併症(キュウセイガッペイショウ)

血糖値のコントロールがうまくいっていない時に起こります。
血糖値を下げるインスリンの働きがさらに悪くなり、血糖値が高くなるばかりではなく、ついには体の中の酸性・アルカリ性のバランスがくずれ、脱水になってしまうこともあります。
症状としては、急にのどの渇きが強くなり、尿がたくさん出て、とてもだるくなります。
なかには意識障害や昏睡にいたるケースもあり、大変注意が必要です。
高齢者では、肺炎や尿路感染症、嘔吐や下痢の際に起こることもあります。
多くの方が入院する必要があり、集中治療室のようなところに入院することもあります。
また、高血糖が原因で免疫力が下がり、通常なら治るはずの感染症が重症化することもあります。
これらの危険な状態を「糖尿病ケトアシドーシス」「高浸透圧高血糖状態」と言ったりします)

慢性合併症(マンセイガッペイショウ)

長い間血糖値が高い状態が続き、血管が傷むことにより、動脈硬化が進行するために起こります。
糖尿病では合併症が4つあります。
それは、糖尿病網膜症糖尿病腎症糖尿病神経障害動脈硬化です。
それぞれわかりやすく解説していきますので、ご家族や友達に教えてあげられるよう、しっかりと覚えておきましょう。

糖尿病網膜症(トウニョウビョウモウマクショウ)

糖尿病網膜症は目の奥にある網膜という部分の病気です。
網膜は見た景色を光として感じることができる、とても大切な部分です。
網膜には細い血管がたくさん走っていて、糖尿病による動脈硬化ではこの細い血管が詰まってしまいます(くわしくは、高血糖が続くと体の中で何が起こってくるのか(その2))。
網膜の細い血管が詰まってしまうと、網膜に血が行き届かなくなり、網膜は働くことができなくなります。
糖尿病網膜症が進行すると、眼が見えなくなって(失明して)しまいます。

糖尿病網膜症の治療の目標は、失明にならないようにすること、視力が低下せず普通の生活が続けられるようにすることです。
糖尿病網膜症の治療は、病状の進行の程度によりますが、レーザー治療、硝子体手術などがあります。
ただし、最も大切なことは、糖尿病自体を悪化させないことです。
糖尿病の治療中に目がかすんだり、眼の異常を感じたりしたら、眼科を受診するようにしましょう。
また、糖尿病の治療をしている方は、定期的に眼科を受診し、糖尿病網膜症や動脈硬化が進んでいないか確認することも必要です。

糖尿病腎症(トウニョウビョウジンショウ)

糖尿病腎症は血液をきれいにする腎臓の働きが悪くなる病気です。
腎臓にも細い血管が走っていて、尿を作るのに大切な働きをしています。
糖尿病による動脈硬化ではこの細い血管が詰まってしまいます(くわしくは、高血糖が続くと体の中で何が起こってくるのか(その2))。
腎臓の細い血管が詰まってくると、しだいに尿の中に蛋白が出始め、いずれ尿蛋白がたくさん出るようになります。
腎臓の細い血管がさらに詰まっていくと、作れる尿の量が減っていきます。
そこからさらに進行すると、腎臓は尿を作れなくなってしまい、あなたは人工透析が必要となってしまいます。

糖尿病腎症の治療の目標は、人工透析にならないようにすること、尿蛋白がこれ以上増えずに尿蛋白が少なくなることです。
糖尿病腎症の治療は、薬を加えたり、食事中の塩分や蛋白を制限をしたりします。
ただし、最も大切なことは、糖尿病自体を悪化させないことです。
糖尿病の治療中に尿の泡立ちが気になるようになったり、尿検査で尿蛋白が増えているようでしたら、さらに気をひきしめて糖尿病治療に取り組まなければいけませんね。
糖尿病の治療をしている方は、定期的に尿検査を行い、糖尿病腎症が進んでいないか確認することも必要です。

糖尿病神経障害(トウニョウビョウシンケイショウガイ)

糖尿病神経障害は神経がうまく働かなくなり、さまざまな部位の感覚や機能がおかしくなる病気です。
痛みや温度を感じたり、筋肉を動かしたり、内臓をうまく動かしたりするためには、神経が正常に働く必要があります。
神経の周りにも細い血管が走っていて、糖尿病による動脈硬化ではこの細い血管が詰まってしまいます(くわしくは、高血糖が続くと体の中で何が起こってくるのか(その2))。
神経の周りの細い血管が詰まってしまうと、神経に血が行き届かなくなり、神経は正常に働くことができなくなります。
また、血糖値が高い状態が続くと、神経の中に良くない物質がたまり、神経の正常な働きをじゃまするとも言われています。

神経が正常に働くことができなくなると、痛みを感じなくなったり、逆に痛みを感じるようになったりします。
温度の感覚もおかしくなり、おかしな汗をかいたり、便秘や下痢など内臓がうまく働かなくなったりします。
手足の感覚が鈍くなったせいで傷ができたことに気付くのが遅れ、そこから細菌が侵入し、皮膚感染症につながることもあります。

糖尿病神経障害の治療の目標は、神経の異常からくるそれぞれの症状を治すこと、軽くすることです。
糖尿病神経障害の治療は、薬を飲んだり、注射をすることもあります。
ただし、最も大切なことは、糖尿病自体を悪化させないことです。
糖尿病の治療中に、痛みやしびれなどの感覚異常、汗のでかたがおかしいなどの症状がみられたら、かかりつけの医師に相談しましょう。

動脈硬化(ドウミャクコウカ)

動脈硬化では血管が狭くなったり固くなったり詰まったりすることで、心筋梗塞や脳卒中などを起こします(くわしくは、高血糖が続くと体の中で何が起こってくるのか(その2))。
足の血管の動脈硬化では、血のめぐりが悪くなることで、冷えや痛みを感じるようにもなり、さらに動脈硬化が進むと皮膚や筋肉が死んでしまいます(壊死(えし))。
皮膚や筋肉が死んでしまうと、その悪くなった部分を切断するしかありません。
糖尿病で足を切断する方は、以前から少なくなっているかもしれませんが、糖尿病の患者さんにとっては決して他人ごとではありません。

糖尿病の4つの合併症、糖尿病網膜症糖尿病腎症糖尿病神経障害動脈硬化の中で、もっとも心配なのはどれでしょうか?
糖尿病網膜症では、眼が見えなくなってしまいます。
糖尿病腎症では、人工透析になってしまいます。
糖尿病神経障害では、つらい痛みやしびれに悩み続けます。
動脈硬化では、心筋梗塞や脳卒中が突然起こり、救急車で病院に運ばれる前に亡くなってしまうかもしれません。
心配な方は、かかりつけの医師に早めに相談しましょう。

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糖尿病の検査

あなたが糖尿病かどうか確かめることができます

血液検査結果のどこを見ればいいのか?

あなたが受けた健康診断の結果や、かかりつけのクリニックで検査した結果を見ながらお読みください。
糖尿病になっているかどうかは、血液の検査で血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を調べる必要があります。
血糖値は血液中に溶けている糖の濃度です。
HbA1cは過去1~2か月の血糖値の状態がわかる値で、高ければ悪く、4.6~6.2%が正常範囲とされています(くわしくは、「HbA1cとは?糖尿病の診断・治療目標」)。

糖尿病の診断方法がわかる

糖尿病かどうかを診断するために使用するのが、次の基準値です。
① 早朝空腹時血糖値126mg/dL以上
② 随時血糖値(採血前の最後の食事のタイミングはいつでもよい)200mg/dl以上
③ HbA1cが6.5%以上
④ 早朝空腹時血糖値110mg/dL未満

1度検査を行って、①~③のどれか1つでも当てはまれば「糖尿病型」と呼ばれます。
しかし「糖尿病型」を1つ満たしたからと言って、すぐに糖尿病と診断されるわけではありません。
一方、④の条件を満たした場合を「正常型」といいます。
「糖尿病型」「正常型」いずれにも当てはまらない場合は「境界型」と呼ばれます。
ただし、「正常型」の場合でも、食後1時間の血糖値が180mg/dL以上の場合は糖尿病に悪化することがあるため「境界型」と同様のケアが必要です。
また、空腹時血糖値が100~109mg/dLの場合も基準範囲内にはなっていますが、「正常高値」として注意することが勧められています。

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糖尿病の診断基準

どうだったら糖尿病と診断されるのか?

糖尿病診断の正しい流れがわかる

糖尿病の検査の基準値のうち、次の条件に当てはまると糖尿病と診断されます。
① 1回目の検査で血糖値とHbA1cのいずれも「糖尿病型」に当てはまる。
② 1回目の検査で血糖値のみ「糖尿病型」に当てはまり、さらに次の条件にどれか1つでも当てはまる。
a. 糖尿病の典型的な症状(口の渇き、多飲、多尿、体重減少)がみられる。
b. 確実な糖尿病性網膜症がみられる。
c. 再検査で血糖値とHbA1cのいずれか、もしくは両方が「糖尿病型」に当てはまる。
③ 1回目の検査でHbA1 cのみ「糖尿病型」に当てはまり、再検査で血糖値が「糖尿病型」に当てはまる。
再検査は1か月以内に行うのが望ましいようです。

次にあてはまる患者さんは「糖尿病疑い」として3~6か月以内に血糖値とHbA1cの再検査を行います。
①1回目の検査で血糖値のみ「糖尿病型」に当てはまるが、症状や網膜症がなく、再検査で血糖値、HbA1cいずれも「糖尿病型」にならなかった場合
②1回目の検査でHbA1cのみ「糖尿病型」に当てはまるが、再検査では血糖値、HbA1cいずれも「糖尿病型」にならなかった場合
③1回目の検査でHbA1cのみ「糖尿病型」に当てはまり、再検査でもHbA1cのみ「糖尿型」に当てはまる場合

糖尿病を診断する際に大切なこと

糖尿病の診断方法や診断基準は、少し複雑で難しかったかもしれません。
血糖値やHbA1cの値がいくつか、再検査をしてそれぞれの値がどうであったか、きちんと受け止めて、正しい診断を受けることは大切です。
ただし、あなたが糖尿病であっても、糖尿病型や境界型であっても、食事を含めた自分の生活環境を見直すことのほうが大切かもしれません。
このままの生活を続けていたら糖尿病は決して良くならない、病院にも通い続けなくてはいけない、何からはじめればいいのでしょうか?
かかりつけの医師に聞くことができますか?
日頃から信頼できるかかりつけの医師を見つけておくことは大切です。

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糖尿病の治療目標

あなたは糖尿病とどう付き合いたいですか?

糖尿病治療の効果はどう判断すればいいの?

糖尿病の治療目標は、健康な人と同じぐらいの暮らしと寿命を維持することです。
そのためには、糖尿病の合併症が起こらないようにすることが大切です。
そのためには、血糖値のコントロールが欠かせません。
糖尿病の治療がうまくいっているか、血糖値がコントロールできているかどうかは、HbA1cを参考にします。
血糖値は食事の影響で変動しやすい一方、HbA1cは1回の食事の影響は受けにくく、個人差も小さいからです。

HbA1cいくつなら大丈夫?

それではHbA1cがいくつなら大丈夫なのでしょうか?
前述しましたが、HbA1cは過去1~2か月の血糖値の状態がわかる値で、高ければ悪く、4.6~6.2%が正常範囲とされています(くわしくは、「HbA1cとは?糖尿病の診断・治療目標)。
糖尿病治療には、患者さんの年齢や事情に合わせた目標が考えられています。
あなたに合わせた治療目標を、かかりつけの医師と見つけてください。

患者さんが65歳未満の場合、HbA1c7.0%未満を目指します。
あなたが糖尿病の治療中でしたら、まずはHbA1c7.0%未満を目指しましょう。
糖尿病の合併症の進行を防ぎ、予防するためには、HbA1cが7.0%未満であることが大切とされているからです。
糖尿病の合併症の進行を防ぎ、予防することは、糖尿病治療の最大の目標のひとつです。

もし患者さんが食事や運動のみでのHbA1cの改善が見込める場合や、薬での治療中でも低血糖などの副作用の心配がなければ、HbA1c6.0%が目標になります。
あなたが糖尿病の治療中で、糖尿病の薬をやめたかったり、通院し続けるのが嫌だったりするのでしたら、HbA1c6.0%を目標にしてみましょう。
糖尿病の薬を使わずにHbA1c6.0%を達成するためには、食生活・生活習慣をきちんと見直し、バランスの取れた食事や定期的な運動習慣がある日常生活を送ることが大切です。

一方、治療による副作用や患者さんの状態によってはHbA1c8.0%を目標にすることもあります。
HbA1cが8.0%では、糖尿病の合併症の進行停止と予防のための目標である7.0%未満を超えてしまっています。
しかしながら実際には、副作用があり糖尿病の薬を飲めない患者さん、様々な事情で定期的に薬を使うことができない患者さんもいらっしゃいます。
そして、患者さんが他の病気や障害を持っていて、血糖値を厳格にコントロールすることが必ずしも患者さんのためにならないこともあります。
かかりつけの医師との信頼関係がなければ、この目標は設定できません。

65歳以上の患者さんも合併症を予防するための目標はHbA1c7.0%未満です。
しかし、高齢者では治療によって重症の低血糖症になる危険性が高まります。
さらに、認知症の有無や、食事や入浴、買い物、金銭管理などの日常生活(ADL)をどこまで1人でできるかは患者さんそれぞれ異なります。
そのため、若い人に比べて高齢者では患者さんひとりひとりに合わせた治療目標を立てることが大切です。
ひとりひとりに合わせた治療目標や治療内容は、かかりつけの医師としっかり相談できるといいですね。

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糖尿病の治療

自分に合った治療を選びたい

糖尿病治療で失敗しないために、大切なこととは?

糖尿病の治療は食事と運動による治療が基本です。
特に食事の管理が大切で、糖質をとり過ぎないことが大切です。
これらの治療を2~3か月続けてもHbA1cが目標値まで下がらない場合、または初診時にかなり血糖値やHbA1cが高値の場合には、薬による治療が開始されます。
薬は飲み薬と注射薬がありますが、患者さんひとりひとりの状態に合わせた薬と量を選択します。

糖尿病の治療は長期にわたって継続することが何より大切です。
薬の服用や通院を自己判断で中断せず、悩みや不安があったら医師や医療スタッフに遠慮なく相談してくださいね。
インターネット上には糖尿病に関する情報があふれかえっています。
間違った情報も少なくありませんので、必要以上に心配して勝手な自己判断をしてしまうことは避けたいものです。
信頼できる何でも相談できるかかりつけ医を持つことが何より大切です。

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糖尿病の食事療法

自分の食生活のどこが悪いのかわからない

食生活を考え直すことができます

糖尿病を含め生活習慣病の治療で一番大切なことは、食生活の見直しです。
運動習慣も大切ですが、病気になってしまうのは食生活の乱れが原因であることが多いようです。
食事療法と聞くと、特別な食べ物を食べなくてはいけないのかと心配してしまう方もいるかもしれません。
何を食べるかも大切ではありますが、こちらで紹介するのは食事の量とバランスの話です。
そして、食事療法と聞くと極端に食事を減らしてしまう方もいますが、そのような食生活を長く続けることはできません。
こちらで紹介するカロリー計算、栄養素のバランス、食べ方などわかりやすく解説しているつもりではありますが、やっぱり難しい、できなさそうだという方は、カロリー計算のやり方もご覧ください。

カロリー計算のやり方

糖尿病の食事療法では、1日に必要なエネルギー量(キロカロリー・kcal)を把握し、その範囲内で何を食べるかが大切です。
それでは、解説していきます。

まず最初に、1日過ごすのに必要なエネルギーを計算してみましょう。
たくさん体を動かしていれば、その分エネルギーが必要ですね。
1日のエネルギー量を知るためには、次の式に当てはめて計算します。

1日のエネルギー摂取量=標準体重×身体活動量

標準体重は身長から計算で求めます。
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

身体活動量は1日の過ごし方が次のうちどれに当てはまるかで数値が決まります。
・軽い労作(座って作業することが多い)…25~30
・普通の労作(立ち仕事が多い)…30~35
・重い労作(力仕事が多い)…35~

計算で1日のエネルギー摂取量がわかったら、このエネルギーを次のように配分します。
・炭水化物…50~60%
・タンパク質…20%以下
・脂質…炭水化物とタンパク質の残り。
ただし、25%を超える場合は飽和脂肪酸を減らす。
それぞれの栄養素にどのような食材が含まれるかは、食品交換表が参考になります。

他に、次のような点にも注意してください。
・食事は朝昼晩の3食を腹8分目まで。
・ゆっくりよく噛んで食べる。
・色々な食材を食べる。
・脂質は控えめにする。
・食物繊維をたくさん摂る(野菜、海藻、きのこ)。
・単純糖質が多い食品(お菓子、果物)を控える。
・アルコールは1日25gまで(※)。
ただし、肝臓の病気、合併症のある人は禁酒とする。
※ ビールなら中びん1本、日本酒なら1号、ウィスキーならダブル1杯、ワインなら1/4、缶チューハイならロング缶1本
・1日の塩分量は高血圧の場合は6g未満に、高血圧でなくとも男性は8g、女性は7g未満にする。

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糖尿病の運動療法

どのくらい運動しなければいけないのか?

なぜ運動しなければいけないのか?

あなたは、インスリン抵抗性という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
インスリン抵抗性とは、血糖値を下げるインスリンというホルモンがうまく働かなくなり、血糖値が高い状態となってしまうことです。
インスリン抵抗性の原因は、肥満であるとされています。
運動ではインスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げる効果が期待できます。

糖尿病の患者さんがすべき運動はどのくらい?

運動をすることで、内臓脂肪を減らしてインスリン抵抗性が改善されます。
では、どのくらい運動しなくてはいけないのでしょうか?
糖尿病の患者さんには、次のような負荷や頻度で運動を継続的に行うことがすすめられています。

① 強度が中等度の有酸素運動を1日20~60分、週に3~5回(できれば毎日)行う。
② 週に2~3回レジスタンス運動を行う。

有酸素運動とは、全身を使って行う運動のことで、ウォーキングやジョギング、水泳などが含まれます。
中等度の強度の有酸素運動とは、1分間の心拍数が50歳未満で100~120拍、50歳以上で100以内程度のことを指します。
患者さん自身が「ややきつい」と感じるくらいのペースで行うことが大切です。
レジスタンス運動はスクワットや腹筋、ダンベル運動などをいい、いわゆる無酸素運動と呼ばれる運動のことです。
水中歩行は有酸素運動とレジスタンス運動の両方の要素を兼ね備えた運動で、肥満糖尿病の患者さんでも有効かつ安全に行うことができます。

糖尿病の患者さんが運動する際に気を付けなければいけないこと

糖尿病の治療中は急激に運動をすると低血糖を引き起こしたり、患者さんの状態によっては運動が勧められなかったりする場合があります。
ですから、運動療法は自己判断で負担を強くしたりせず、かかりつけの医師とよく相談して行いましょう。
一方、運動をしているからと言って食事療法を怠ってはいけません。
食事で摂りすぎたエネルギーを運動で消費するのは大変ですし、運動療法と食事療法を組み合わせることでより高い治療効果を期待できるからです。
病態や日々の体調と相談しながら、継続的に治療を続けていきましょう。

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糖尿病の薬物療法

どんな薬を飲んでいるのか知りたい

糖尿病の薬の考え方がわかる

かかりつけ医から出されている薬がどんな薬だかよくわからない、あなたはいかがでしょうか?
糖尿病の薬について、簡単に理解しておくことは大切です。
薬による糖尿病の治療は、飲み薬による治療と、注射による治療があります。
患者さんの状態によって1種類の薬を少量飲むだけでいい人もいれば、飲み薬と注射の併用が必要な人もいます。
ここでもひとりひとりに合った治療が選ばれなければいけません。
日頃から信頼できるかかりつけ医とよく話し合ってください。

飲み薬は薬がどのように作用するかによって次の3つに分けられます。
作用の異なる薬であれば、複数の飲み薬を併用して服用することも可能です。
あなたの飲んでいる薬はどれでしょうか?

① インスリン抵抗性改善系:ビグアナイド薬チアゾリジン薬
インスリン抵抗性(くわしくは、「なぜ運動しなければいけないのか?」)を改善し、インスリンがうまく働くようにして血糖値を下げやすい状態を作れる薬です。

② インスリン分泌促進系:スルホニル尿素(SU)薬速効型インスリン分泌促進薬(グルニド薬)DPP-4阻害薬
膵臓(スイゾウ)にインスリンを出させる働きがあります。
インスリンが出ることで血糖値を下げることができます。

③ 糖吸収・排泄調節系:α-グルコシダーゼ阻害薬SGLT2阻害薬
糖吸収の調整をしてくれる薬は、腸からの糖の吸収をゆるやかにして、血糖値が急に高くならないようにしてくれます。
排泄調節系の薬は、血液中の余分な糖を尿の中に捨てて血糖値を下げる働きがあります。
体重も減り、心臓への負担も減るとも言われています。

注射による治療は、インスリンそのものを注射する治療と、GLP-1受容体作動薬という薬を注射する場合があります。
いずれの注射薬もかかりつけ医や薬剤師さんから説明を受けた後、自己注射(自分で自分に薬を注射します)による治療の継続が可能です。

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糖尿病の内服治療

なぜ薬を飲むのかわかるようになる

糖尿病の薬の働きがわかるようになる

あなたの飲んでいる薬はどれでしょうか?
あなたは薬の働きを知っていますか?
こちらを読むと、それぞれの薬の働きがわかるようになります。
ひとりひとりに合わせて薬を選ぶことが大切だとわかるようになります。
かかりつけ医の先生と相談して治療を進めていってください。
糖尿病の治療に使われる飲み薬についてよりくわしく見ていきましょう。

ビグアナイド薬

肝臓で血糖が作られるのを抑える働き、インスリン抵抗性(くわしくは「なぜ運動しなければいけないのか?」)を改善させる働きがあります。
この薬だけでは薬が効きすぎることによる低血糖や肥満は起こりにくいため、初めて飲む糖尿病の薬として選ばれることも多いです。
稀ではありますが、この薬では体が酸性に傾いてしまう乳酸アシドーシスという副作用が起こることがあり、吐き気、下痢、体の強烈なだるさ、筋肉痛などの症状がみられる場合にはすぐに医療機関へ相談してください。

チアゾリジン薬

筋肉や肝臓でのインスリンの働きが強まります。
インスリン抵抗性(くわしくは「なぜ運動しなければいけないのか?」)を改善させ、血糖値が下がりやすい環境を作りあげます。
この薬も、他の薬と併用しなければ低血糖になるリスクが低くなっています。
副作用として、浮腫みや体に水分が貯まることがあり、心臓の悪い方には使用が勧められていません。

スルホニル尿素(SU)薬

膵臓(スイゾウ)に働いてインスリンを出すよう働く薬で、飲んでからすぐに血糖値が下がります。
食事療法や運動療法がうまくいかない患者さんに使うことが多いようです。
また、高度な肥満などインスリン抵抗性(くわしくは「なぜ運動しなければいけないのか?」)の強い患者さんには、あまり効果が期待できません。
患者さんによっては少ない量の薬でも低血糖になることがあり、特に夜間や食事の直前には注意が必要です。
また、薬の副作用で体重が増えやすくなるため、体重のコントロールにも気を配りましょう。
腎臓や肝臓が悪い患者さんや高齢者は、遷延性低血糖(せんえんせいていけっとう)といって、低血糖の状態がしばらく続いてしまう状態になることがあり、注意が必要とされています。

速効型インスリン分泌促進薬(グルニド薬)

インスリン分泌促進系の薬で、SU薬よりも短時間で効果を発揮する一方、効果が弱まるのも早いという特徴があります。
食後に血糖値が急激に上昇(食後高血糖)しやすい患者さんによく合う薬です。
飲むタイミングを誤ると低血糖になりやすくなるため、食事の直前に飲むことを守るのが大切です。
SU薬よりも、遷延性低血糖になりにくいのも特徴のひとつかもしれません。

DPP-4阻害薬(ディーピーピーフォー)

DPP-4という酵素の働きを邪魔することで、血糖値が高い時にインスリンが出るよう働き、血糖値を上げるグルカゴンというホルモンを出にくくする薬です。
この薬だけの治療であれば低血糖や体重増加が起こりにくく、食事の影響も受けないため食前・食後いずれのタイミングでも服用できます。
副作用としては腸閉塞や、SU薬と一緒に飲むことで低血糖が報告されています。

α-グルコシダーゼ阻害薬(アルファグルコシダーゼ)

糖の吸収を遅らせることで、食後の血糖値の上昇を抑えます。
食後に血糖値が上がるような患者さんに合う薬で、特に上昇が目立つ患者さんには、他の薬と組み合わせて処方されます。
食事の直前に飲むと十分に効果が発揮される一方、食後に飲んだ場合には効果はかなり弱まります。
開腹手術をしている患者さんや高齢者の方は、腸閉塞になる副作用が起こることがあり、注意が必要とされています。

SGLT2阻害薬(エスジーエルティーツー)

血液中の余分な糖を尿に出することで血糖値を下げる薬です。
尿の中に余分な糖を出すときに、一緒に水分や塩分も尿として出すことができるので、体重が減り、心臓への負担も減ると言われています。
SU薬インスリンと一緒に使わなければ、低血糖を起こしにくいとも言われています。
この薬を飲んでいるときには尿路感染症やケトアシドーシス(体が酸性に傾くこと)、脱水などに注意が必要です。
普段より多めに水分をとることをこころがけてください。

糖尿病の薬、どの組み合わせで飲むのがいいのか?

糖尿病の薬をたくさん紹介してきましたが、あなたのかかりつけ医は実際どうやって薬を選んでいるのでしょう?
あなたの食生活・ライフスタイル、体質、身長・体重や腹囲、他にも病気がないのか、糖尿病の合併症はどれだけ進んでいるのかなど様々なことを考えて処方を選んでいるはずです。
ひとりひとりに合った治療法を選ぶことが大切です。
あなたの信頼できるかかりつけ医と話し合ってください。

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糖尿病のインスリン治療

インスリンのことがわかるようになる

インスリンをなぜ使わなければいけないのか?

高血糖の状態(例えば、空腹時血糖値250mg/dl以上、随時血糖値350mg/dl以上)、糖毒性、内服薬では血糖値を十分にコントロールできない場合など、血糖値を下げるインスリンというホルモンを注射で補うことで、血糖値を下げることができます。
いずれもインスリンを使って血糖値を下げなければ、急性合併症を起こしかねないような状態です。
急性合併症を防ぎ、血糖をコントロールして、慢性合併症も防ぐためにインスリン治療が必要なこともあるのです。

インスリン治療は誰が適応となるのか?

糖尿病の患者さんでインスリン治療までしている方は多くありません。
2型糖尿病であれば、食事・運動療法や内服治療がうまくいかない患者さんが追加で行う治療、とも言えます。
糖尿病合併妊娠、1型糖尿病などインスリン治療が絶対に必要な状態もあります。
糖尿病があると、重症の感染症、外傷、手術時に血糖値が上がりやすく、インスリン治療が必要なこともあります。

インスリン製剤の違いがわかる

健康な人では血糖値を一定に保つために、1日の中で血液中のインスリンの濃度が変動しています。
食事をすればそのたび血糖値は上がるので、それに合わせてインスリンが出なければ血糖値は下がりません。
この変動は、常に一定量血液中に存在する基礎インスリン分泌と、食後血糖値が上がった際にインスリンを一時的に多く分泌させる追加インスリン分泌によって起こります。
糖尿病のインスリン治療では、この健康な人のインスリンの分泌のパターンと同じにすることが目標です。
そのために患者さんはインスリンを注射によって補うのですが、ある程度長い時間緩やかに効果が続くインスリン製剤と、注射したらすぐ効果があるインスリン製剤が必要です。
そのため、インスリン製剤は次のような種類があります。

超速効型インスリン製剤

注射後にすぐに作用し、短時間(約2時間)で効果が消えるタイプです。
食事の直前に注射し、食後の血糖値の上昇を抑えます。

速効型インスリン製剤

皮下に注射すると30分ほどで効果が現れ始めます。
効果のピークは約2時間後で、その後5~8時間効果が続きます。

中間型インスリン製剤

注射後1~3時間ほどして作用し、18~24時間効果が続きます。

持効型溶解インスリン製剤

注射後、1~2時間で効果が現れ、ほぼ1日効果が続くインスリン製剤です。
このインスリン製剤を使用する目的は、基礎インスリン分泌が不足している場合の補充です。
食後の血糖値の上昇が著しい場合は、飲み薬や別な注射薬を一緒に使います。

混合型インスリン製剤

超速効型インスリンと中間型インスリン、もしくは速効型インスリンと中間型インスリンをあらかじめ混合してある製剤です。
様々な割合で混ぜられたものが販売されており、患者さんの状態にあったものを選びます。
注射後、それぞれのインスリン製剤のタイミングで作用を発揮し、18~24時間持続します。

配合溶解インスリン製剤

超速効型インスリンと持効型溶解インスリンがあらかじめ混ざっているインスリン製剤です。
混合型インスリン製剤同様、それぞれのインスリン製剤のタイミングで効果が現れ、ほぼ1日作用が続きます。

これらのインスリン製剤は次のような容器に入れられており、患者さんと相談してどのタイプを使用するか決めます。
・プレフィルド/キット製剤:インスリン製剤と注入器が一体になっている
・カートリッジ製剤:ペン型の注入器にカートリッジを装着して使用する
・バイアル製剤:小瓶に入った薬剤を注射器で吸って使用する。
自己注射で用いられることはほとんどない。

BOT治療(ビーオーティー)

薬を飲みながら、1日1回インスリンを注射している患者さんもいます。
BOTと呼ばれていて、高い血糖値を下げて糖毒性をなくし、膵臓(スイゾウ)のインスリンを出す力を回復させて、糖尿病を良くすることができる治療法です。
内服治療と組み合わせて、持効型インスリンを1日1回注射する治療法です。
低血糖や高血糖にならないよう、患者さんが自分で血糖を測定することが大切です。
※BOT : Basal Supported Oral Therapy

インスリン治療をやめたい!

インスリン治療をやめたい、という患者さんは多くいらっしゃいます。
1型糖尿病の患者さんなど、現段階の医学ではインスリン注射が必要で、完全にインスリンをやめることができない患者さんは少なくありません。
内服薬だけではうまく血糖がコントロールできなくなっている2型糖尿病の患者さんはどうでしょう?
血糖値が高くなっている原因はなんでしょうか?
体重を減らすことができない食生活・ライフスタイル、運動習慣など見直すことはできないでしょうか?
インスリンだけではなく薬もどうやったら減らすことができるのでしょうか?
今日からできることがあります。
具体的に何からはじめることができるでしょうか?
あなたのかかりつけ医と十分に相談してください。

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糖尿病のGLP-1受容体作動薬

血糖値が高いときだけ効くインスリン以外の注射薬

GLP-1受容体作動薬(ジーエルピーワン)の働き

食後の血糖上昇に反応して、血糖値を下げてくれる注射薬です。
インスリンを分泌する膵臓(スイゾウ)のβ(ベータ)細胞に結合してインスリンの分泌を促し、グルカゴン(血糖値を上げるホルモン)の分泌を抑えます。
つまり、血糖値が高い時にインスリンが出るよう働き、血糖値を上げるグルカゴンというホルモンを出にくくする薬です。
食後のみならず、結果的に空腹時の血糖値も下げる効果があります。
この薬のみを使用している場合では低血糖になるリスクが少ないのが特徴で、なんと体重も低下させる働きもあります。

GLP-1受容体作動薬の種類

インスリンのようにGLP-1受容体作動薬にもいくつか種類があります。
主に薬の効果の持続時間で分けられています。
GLP-1受容体作動薬には、効果の持続時間が8時間や15時間のものもあれば、1週間効果が続くものもあります。
1週間タイプは週に1度注射すればよいため、患者さんの負担がかなり軽減できます。
毎日忙しくて、薬を飲んだり注射することをつい忘れがちな人でも、週に1回なら治療を続けられるかもしれません。
あなたはどのタイプがいいでしょうか?

GLP-1受容体作動薬は誰が適応となるのか?

血糖値が高い時だけ効いて、体重も下がることがあるGLP-1受容体作動薬。
注射することをがまんすれば、いいことずくめのように思えてしまいます。
どなたでもGLP-1受容体作動薬を使うことができるのでしょうか?
GLP-1受容体作動薬は患者さんの膵臓(スイゾウ)がインスリンを分泌できていれば使用することができます。
糖尿病患者さんの中には、糖尿病になってから長い期間が経っており、インスリンが十分に分泌できない方もいて、GLP-1受容体作動薬が使えない方もいるのです。

GLP-1受容体作動薬はどう使えばいいのか?

GLP-1受容体作動薬はもちろん単独で使うこともできます。
糖尿病の内服薬と組み合わせて使うこともできます。
血糖値を下げ、内服薬を減らせる可能性があります。
インスリンと組み合わせて使うこともできます。
毎食前に注射しているインスリンの量を減らせるかもしれません。
内服薬やインスリンと組み合わせて使うことで、低血糖になることもありますので、十分注意する必要があります。
個人的には、GLP-1受容体作動薬は外食が多く食事・運動療法に十分な時間を割けない忙しい働き世代の方などに合う薬かもしれないと考えています。

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糖尿病の検査や治療にかかる費用(料金)

糖尿病の治療、いくらかかるのか知りたい

はじめてクリニックにかかった時にいくら費用(料金)がかかるか?

糖尿病について心配になったら、あなたのかかりつけ医に相談してみましょう。
かかりつけ医がいない方は、糖尿病のことを相談できるクリニックを探してください。
健康保険証を忘れずに持って行ってください。

糖尿病の治療で、はじめてクリニックを受診した際の流れはこんな感じだと思われます。
① 受付
② 問診票の記入(なぜクリニックに来たのかなどを記入します)
③ 医師や医療スタッフによる問診内容の確認
④ 医師による診察
⑤ 血液・尿検査
⑥ 他に必要な検査
⑦ 医師による診察(検査結果の説明、糖尿病についての説明、薬の処方など)
⑧ 会計(薬の処方箋をもらいます)

このような流れで診療が行われた場合、保険証の自己負担額3割の方は、
約5000~7000円かかります。
お支払いは現金のみのクリニックが多いので、お金が足りないことのないように現金をしっかり用意しておきましょう。

もし薬が処方されたら、薬局に処方箋を持って行って、薬を受け取りに行きます。
あなたに合った、身近なかかりつけ薬局をぜひ見つけてください。
薬をもらう際に、薬代などのお支払いもあります。
クリニックでのお支払いに加えて、薬局でのお支払いもあるので、さらに数千円は余裕をもって用意しておきましょう。

定期的な通院で毎回どのくらい費用(料金)がかかるか?

糖尿病の治療方針が決まり、定期的に通院することが決まりました。
さて、糖尿病治療のために薬を使いながら、定期的に通院する場合、毎回どのくらい費用(料金)がかかるのでしょうか?

糖尿病の治療で、かかりつけのクリニックを再診した際の流れはこんな感じだと思われます。
① 受付
② 問診(お薬を飲んで変わりがないかなど体調の確認)
③ 医師による診察
④ 血液・尿検査
⑤ 他に必要な検査
⑥ 医師による診察(検査結果の説明、糖尿病についての説明、薬の処方など)
⑦ 会計(薬の処方箋をもらいます)

このような流れで診療が行われた場合、保険証の自己負担額3割の方は、
約3000~5000円かかります。
一般的には、インスリン治療をしているほうがより多く費用(料金)がかかります。
再診の場合でも、クリニックでのお支払いに加えて、薬局でのお支払いもあるので、さらに数千円は余裕をもって用意しておきましょう。

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糖尿病はどこにかかればいいのか?

どこのクリニック・病院にかかればよいのか不安でしょうがない

糖尿病の治療って、医師によって差があるのでしょうか?

糖尿病をどう診断し治療すればいいかということは、糖尿病診療ガイドラインというものがあり、多くの医師や医療スタッフはこのガイドラインに沿って診断と治療を行います。
少なくともガイドラインを理解した医師にかかりたいものです。

私にとって一番良い治療を受けたい

糖尿病の薬は新しいものが次々と開発されます。
それに伴い糖尿病治療に関しての考え方も少しずつ新しくなります。
最新の知識があり、最適な治療法を提案できる医師にかかりたいものです。

わからないことや不安なことを聞けるような医師にかかりたい

病気のことをインターネットで調べるとおそろしいことばかり書いてあります。
友達や家族にも相談しづらいし、不安ばかりが大きくなってしまいます。
些細な事も相談できるクリニックにかかりたいものです。
糖尿病診療ガイドラインや最新の知識をもった、
患者さんひとりひとりの事情に合わせた治療が提案できる医師にかかりたいものです。

糖尿病はどこにかかればいいのか?

糖尿病の重症度や治療法にもよりますが、まずは身近なかかりつけ医に相談するのが一番だと思います。
糖尿病治療にあまり慣れていない医師も少なくありません。
病状によっては必ずしも糖尿病専門医を受診する必要はありません。
糖尿病治療にある程度慣れていて、なんでも相談できる話し合える医師やクリニックを見つけてください。

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糖尿病治療のコツ-早く治したい

私だけ糖尿病がよくならない

糖尿病が良くなり、通院しなくなった患者さんも少なくありません

糖尿病が良くなる患者さんと良くならない患者さん、何が違うのでしょうか?
同じ薬をきちんと飲んでいても、病状が良くなる患者さんも悪くなる患者さんもいます。
ただ薬を飲んでいれば大丈夫というわけではなさそうです。

これだけは守りたい、糖尿病治療で大切なこと

薬をきちんと飲んで通院を続けること以外に、糖尿病を良くするために守りたいことがあります。
糖質をとり過ぎないということつまり「ご飯とパンと麺を食べすぎない」ということです(※)。
おやつや糖分の含まれた飲み物も控えることが必要です。
※かかりつけ医の先生に十分相談した上で行ってください。

ご飯とパンと麺

糖尿病になってしまう方の大半は、糖質のとり過ぎが原因と思われます。
あなたは「ご飯とパンと麺」を食べ過ぎていませんか?
大盛りのご飯をおかわりしたりしていませんか?
菓子パンを食べていませんか?
週何回ラーメンを食べていますか?
あなたにも今日からできることがあります。
今日から「ご飯とパンと麺」を今までの半分にしてみましょう(※)。
※かかりつけ医の先生に十分相談した上で行ってください。

ただ、「きちんとした食生活をして、定期的に運動しましょう」だけの説明では、生活習慣の改善にどう具体的に取り組んでいけばよいのかわかりません。
カロリー計算やカーボカウントなど、きちんとした栄養指導もとても大切ですが、まずは誰でも取り組めることからはじめてみませんか?

著作・監修



大場啓一郎

  • 医学博士
  • 医療法人社団若葉堂 理事長
  • 大場内科クリニック 院長

「なんでも話し合える相談できるかかりつけ医」糖尿病を中心とした生活習慣病の診療を受けることができます。
糖尿病についても、お薬やインスリンの相談をすることができます。
大場内科クリニックはJR相模原駅徒歩1分とアクセス抜群です。
予約なし、紹介状なしで気軽に受診することができます。

★著書 「通院症候群」(幻冬舎メディアコンサルティング)

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