
病気をわかりやすく解説
LDLコレステロールを下げる薬
飲みたくない
この記事のポイント
● LDLコレステロールが高くても自覚症状がないため、「まだ大丈夫」と数値をそのままにしてしまう方が少なくありません。
● 動脈硬化は自覚症状のないまま静かに進行し、脳卒中や心筋梗塞などとしてある日突然発症します。発症後は本人だけでなく、介護をするご家族の生活にも大きな影響が及びます。
● 女性は閉経後、女性ホルモンの減少にともないLDLコレステロールが上がりやすくなります。生活習慣に問題がなくても、お薬による治療が必要になる方がいます。
● 「コレステロールは下げ過ぎない方がいい」「低いほうが病気になりやすい」といった話は、いずれも医学的な根拠のない誤解です。
● お薬が必要かどうかは数値の高さだけでなく、血圧・糖尿病・喫煙など他のリスクとあわせて総合的に判断します。自己判断せず、まずはかかりつけ医にご相談ください。
大場内科クリニックの診療現場から
月平均728人の脂質異常症(高コレステロール血症)の患者さんを診療しています
2025年9月から2026年8月までの1年間、当院で脂質異常症(高コレステロール血症)の診療を受けられた患者さんは、月平均728人にのぼります。
そのほか、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病で生活習慣病管理料を算定している患者さんは、月平均1,221人となっています。
LDLコレステロールの数値だけでなく、動脈硬化の予防を大切にしています
高コレステロール血症の治療というと、スタチンなどのお薬でLDLコレステロールを下げることがゴールだと思われがちです。ですが、当院がそれ以上に大切にしているのは、将来の心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患を防ぐことです
動脈硬化の評価が必要と考えられる患者さんには頸動脈エコー検査を行い、頸動脈の内中膜厚(IMT)やプラークの有無・厚さ、狭窄の程度などを丁寧に確認しています。
2025年9月から2026年8月までの1年間に行った頸動脈エコー検査は、月平均136件です。動脈硬化の変化を見逃さないよう、必要に応じて定期的な検査もお願いしています。
コレステロールの値だけでなく、動脈硬化のリスクを総合的に診療します
当院では、LDLコレステロールの数値だけを見るのではなく、喫煙や食生活、血圧、糖尿病、肥満など、動脈硬化に関わるさまざまなリスクをあわせて評価しています。
必要があれば禁煙のご相談や食事・運動療法についてもお話ししながら、高血圧や糖尿病を合併している場合は、それらもあわせて治療を進めています。
診察室では、「コレステロールのお薬は、一度始めたら一生やめられないのでしょうか」「お薬を使わず、食事だけで下げることはできませんか」「LDLコレステロールが高いというだけで、お薬が必要なのでしょうか」といったご質問を、よくいただきます。こうした疑問を抱かれるのは、決して珍しいことではありません。
当院では、LDLコレステロールの値だけを見て治療方針を決めることはありません。年齢や喫煙歴、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)、心筋梗塞や脳梗塞の既往なども確認したうえで、お一人おひとりの動脈硬化リスクを踏まえながら、治療方針を一緒に考えていきます。
目次
脂質異常症
(高コレステロール血症、高脂血症)
薬を飲まないで何とかしたい:LDLコレステロールを下げる
LDLコレステロールが高いけど、
まだ何も症状がないから大丈夫ですよね!?

脂質異常症(高コレステロール血症、高脂血症)に
ついて、あなたはいくつ当てはまりますか?
- 若い頃から高いので、そのままにしている
- 食事や運動に気をつけても変わらなかったから、そのままにしている
- 体重を落としたのに高いままなので、そのままにしている
- 何も症状がないので、そのままにしている
- LDLコレステロールは高い方がいいと思っている
- 薬を飲むのが嫌で、そのままにしている
ひとつでも当てはまってしまった方は、かかりつけ医にぜひ相談してください!
あなたを看病・介護するために、
配偶者やお子さまが
生活を変えなくてはいけません
脂質異常症の診断基準とは?:LDLコレステロールを下げる
あなたのLDLコレステロールはいくつぐらい?
あなたも脂質異常症?
| LDLコレステロール | 140mg/dL 以上 120~139mg/dL |
高LDLコレステロール血症 境界域高LDLコレステロール血症** |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 | 低LDLコレステロール血症 |
| トリグリセライド | 150mg/dL以上(空腹時採血*) 175mg/dL以上(随時採血*) |
高トリグリセライド血症 |
| Non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上 150~169mg/dL |
高non-HDLコレステロール血症 境界域高non-HDLコレステロール血症** |
上記表はあくまでも一般的な基準です。
あなたの健康状態、生活習慣によってどんな治療をすべきか、かかりつけ医の先生と相談するようにしてください。
引用元:一般社団法人 日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
引用元:厚生労働省 e-ヘルスネット 脂質異常症
高コレステロール血症の症状とは?:LDLコレステロールを下げる
LDLコレステロールが高いとどうなる?
狭心症や心筋梗塞、脳卒中になりたくない
LDLコレステロール、総コレステロール、nonHDLコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)が高いほど、また HDLコレステロールが低いほど、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患が発症しやすいことがわかっています。
また、脳卒中のうち脳梗塞(主にアテローム血栓性脳梗塞)に関してはほぼ冠動脈疾患と同様の関連が得られてい るが、出血性脳卒中(主に脳内出血)に対しては、 逆に LDLコレステロールやトリグリセライド(中性脂肪)が低い方が発症率や死亡率が 高くなっています。
栄養状態が悪いような状態で、LDLコレステロールやトリグリセライド(中性脂肪)が低すぎるのも問題なのかもしれません。
引用元:一般社団法人 日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
動脈硬化、知らないうちに静かに
病気は進行していきます:LDLコレステロールを下げる
健康診断でLDLコレステロールや中性脂肪が高いと言われ、そのままにしていませんか?
「コレステロールを下げる薬できれば飲みたくない」そうですよね、お気持ちは非常にわかります。
そして、少しだけこちらを読み進めてもらえないでしょうか?
LDLコレステロールや中性脂肪が高いと、動脈硬化が進んでしまいます。
しかし、動脈硬化は途中進行しても症状がありません。症状が出るのは、動脈硬化による病気を発症した時、つまり脳卒中(脳梗塞や脳出血)、狭心症や心筋梗塞などです。
いずれも突然発症し、救急車で病院に運ばれるまでに亡くなってしまったり、治療が間に合って命が助かったとしても重い障害が残ることが少なくありません。

重い障害が残り、今までの生活を送れなくなります。配偶者やお子さまが仕事を辞めて生活を変えて、あなたの介護をすることになるかもしれません。
介護が負担となり、心の病気を抱える方も決して少なくありません。
もう一度考え直してください。LDLコレステロールや中性脂肪が高いのに、そのままにしておいていいのでしょうか?
女性の場合、閉経後にLDLコレステロールは
さらに高くなることがあります
LDLコレステロール下がらないのは食事のせいじゃない!?

体内の女性ホルモンが低下すると、どうしてもLDLコレステロールが高くなってしまいます。高くなったLDLコレステロールのために動脈硬化が進み、いわゆる動脈硬化性疾患(脳出血、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞など)が起こりやすくなってしまいます。
比較的健康的な生活をしていても、お薬が必要な方もいるのです。
LDLコレステロールが上がる原因とは?:LDLコレステロールを下げる
あなたがLDLコレステロールが高いのはなぜ?
様々な原因があります、LDLコレステロールを下げたい
LDLコレステロールは、主に肝臓で作られ、細胞膜やホルモン合成で必要です。
「悪玉」と名前がついていますが、必ずしも悪い働きだけではなく、人間が生きていく上で必要なものです。
飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロールの多い食品(例えば、肉や乳製品)をたくさん食べると、LDLコレステロールが上がるとも言われています。
肥満、運動不足、喫煙でもLDLコレステロールが増えると言われています。
私は患者さんに、揚げ物を食べ過ぎない、とりあえずはこれだけ注意しておけばよいと説明しています。
お肉を減らしてしまいたんぱく質摂取量が減ってしまうのはあまり良くないと考えています。
そして、遺伝的な原因、つまり両親から受け継いだ体質のためにLDLコレステロールが高い方が少なくありません。
LDLコレステロールが高く、動脈硬化の悪化をきたしやすい体質です。
それでも薬を飲みたくない!:LDLコレステロールを下げる
LDLコレステロールや中性脂肪が高ければ、
一度かかりつけ医に相談を
LDL下げるコツや薬のわかりやすい説明が聞きたい

再検査をして高くなければ、生活習慣を振り返り、しばらく様子をみることができる患者さんも少なくありません。
血圧が高かったり、糖尿病や喫煙など他の動脈硬化リスクがある方は、持病がない方よりもLDLコレステロールや中性脂肪の値を気にする必要があります。
かかりつけ医に相談してください。

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あなたは本当にコレステロールを下げる
薬を飲まなくていいのでしょうか?
揚げ物や卵を食べないようにしているのに、
なぜコレステロールが下がらない!?
食生活が悪いせいではない!?

あなたのLDL-コレステロールはいつから高いままでしょうか?
本当に薬を飲まなくてもいいのでしょうか?
きちんと医師に相談したことはありますか?
「コレステロールは下げ過ぎると良くない」
「コレステロールが低い方が、がんや脳卒中になりやすい」
「コレステロールが高い方が長生きする」
血圧の薬と同じぐらい、コレステロールに関しても書籍やネット上でデマが多く、非常に困ります。
ちなみに、上記3つはいずれも間違っています。
あなたがコレステロールを下げる薬を飲むべきかどうかは、あなたの動脈硬化リスクによります。
LDL-コレステロールが非常に高い場合、それだけで薬を飲んだほうがいい場合もあります。
LDL-コレステロールが高い状態をただ放っておくのではなく、一度しっかり相談しましょう。
コレステロールの薬のこと、副作用のことなど相談できます。
よくあるご質問
LDLコレステロールが高くなる原因は何ですか?食事で下げることはできますか?
遺伝的な体質、加齢、閉経後のホルモンの変化、食生活の偏りや運動不足などが重なって起こります。魚や野菜、食物繊維を意識した食事は助けになりますが、体質による部分も大きいため、食事の工夫だけでは下がりきらないこともあります。高い状態が続くようであれば、一度医師にご相談ください。
中性脂肪の値が低ければ、LDLコレステロールが高くても心配いらないのでしょうか?
中性脂肪だけでなく、LDLコレステロールの数値そのものが動脈硬化の重要な指標になります。中性脂肪が低くても、LDLコレステロールが高ければ動脈硬化のリスクは残ります。年齢や他の危険因子によって考え方も変わりますので、担当の医師とよく相談しながら方針を決めていくことをおすすめします。
コレステロールを下げる薬を飲むと、痩せることはありますか?
コレステロールを下げるお薬そのものに、直接やせる作用があるわけではありません。服用と同時に食事や生活習慣を見直す方が多いため、結果的に体重が落ちるケースはありますが、薬の効果と誤解しないようご注意ください。
生活習慣を見直すだけで、LDLコレステロールはどのくらい下がりますか?
個人差が大きく、一概には言えません。食事や運動の改善で数値が下がる方は多くいらっしゃいますが、体質的にコレステロールが上がりやすい方は、生活改善だけでは目標値まで届かないこともあります。再検査の結果を見ながら、お薬が必要かどうかを判断していきます。
LDLコレステロールは低ければ低いほど良いのですか?
動脈硬化の予防という点では、LDLコレステロールは低いほうが有利とされています。「コレステロールが低いと、がんや脳卒中になりやすい」という話も聞かれますが、これは医学的な根拠のない誤解です。数値について気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。
LDLコレステロールが高いと言われました。症状がなくても病院に行ったほうがいいですか?
症状がなくても、一度は受診をおすすめします。動脈硬化は自覚症状のないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞など重大な病気として、ある日突然現れることがあります。血圧や血糖値、喫煙歴など他のリスクとあわせて確認することで、必要な対策が見えてきます。
食事や運動を頑張ってもLDLコレステロールが下がりません。どうすればいいですか?
生活習慣を改善しても下がりにくい体質の方もいらっしゃいます。頑張っても数値が変わらない場合は、無理に生活改善だけで抱え込まず、お薬による治療を検討する時期かもしれません。一度、これまでの取り組みも含めて医師にご相談ください。
健康診断の直前に何か対策をすれば、コレステロールの数値は下がりますか?
直前の1〜2日の工夫で、数値を大きく下げることは難しいです。LDLコレステロールは日々の生活習慣を映す数値なので、普段の食事や運動を見直すことが、結果的に一番の近道になります。数値を一時的にごまかすより、ふだんの体の状態を正しく知ることを大切にしてください。
自炊で栄養バランスに気をつけて、運動もしているのにLDLコレステロールだけがずっと高いです。なぜでしょうか?
生活習慣に問題がなくても、体質的にLDLコレステロールが上がりやすい方は少なくありません。ご家族に同じ傾向がある場合は、遺伝的な要素が関わっている可能性もあります。生活習慣だけが原因とは限りませんので、一度きちんと検査を受け、必要であれば治療を検討することをおすすめします。
LDLコレステロールを下げるサプリメントは効果がありますか?
商品によって成分や効果の裏づけはさまざまで、お薬ほどの効果は期待しにくいのが実情です。数値がそれほど高くない方の生活サポートとしては選択肢になり得ますが、数値がしっかり高い方や動脈硬化のリスクがある方は、サプリメントだけに頼らず、医師と相談しながら方針を決めていくことをおすすめします。

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YouTubeのわかりやすい説明
さらにくわしく解説しています。わからないことがあれば、かかりつけの先生にご相談してください。
著作・監修

大場啓一郎
- 医学博士
- 医療法人社団若葉堂 理事長
- 大場内科クリニック 院長
「なんでも話し合える相談できるかかりつけ医」
病院嫌い、病院が苦手な方でも
通院できるクリニックです。

糖尿病を中心とした生活習慣病の診療を受けることができます。
糖尿病は生活習慣の見直し、食事・運動習慣の改善など、患者さんと相談しながら行っていくことが得意です。
糖尿病のみならず、高血圧、脂質異常症(高コレステロール血症、高脂血症)、痛風・高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群などの診療も行っています。
大場内科クリニックはJR相模原駅徒歩1分とアクセス抜群です。
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