腎機能・eGFRが低い、クレアチニンが高い|慢性腎臓病(CKD)
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腎機能・eGFRが低い、クレアチニンが高い
|慢性腎臓病(CKD)

このページのまとめ

健康診断で「eGFRが低い」「クレアチニンが高い」と指摘されても、すぐに透析が必要になるわけではありません。早い段階で気づけば、進行をゆるやかにできる病気です。
腎臓は血液をろ過して老廃物を尿に捨てるほか、血圧の調整、赤血球をつくる指令、骨やミネラルの管理まで受け持っています。
慢性腎臓病(CKD)とは、eGFR60未満、または尿タンパク・尿アルブミンなどの異常が3か月以上続く状態を指します。
腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、むくみやだるさが出るころにはかなり進んでいることもあります。症状ではなく数値で見つけます。
原因として多いのは糖尿病と高血圧です。血圧と血糖のコントロール、そして減塩が、治療の土台になります。
近年はSGLT2阻害薬など、腎臓の働きそのものを守る効果が確かめられた薬も登場し、選べる手立てが増えました。
気をつけたいのは透析だけではありません。心筋梗塞や脳卒中のリスクとも関わるため、数値の変化を定期的に追っていきます。



目次

健康診断で「腎機能が低下しています」と言われたら

健康診断の結果が返ってきて、腎機能の欄に印がついていた。eGFRという見慣れない項目や、クレアチニンの数値の横に「要再検査」と書かれている。何がどう悪いのか分からないまま、そのまま数日が過ぎてしまった。そんな方が毎年たくさんいらっしゃいます。

腎臓の数値は、痛みやつらさを伴わないまま静かに変わっていきます。そのため、体の感覚より先に、紙の上の数字だけが異常を知らせることになります。ただ、ここで透析を思い浮かべる必要はありません。腎機能の低下といっても、脱水や一時的な体調で起こるものから、年単位でゆっくり進むものまで幅があります。まずはどのタイプなのかを見分けるところから始めます。

早い時期に見つかれば、進行のスピードを落とす方法はいくつもあります。数値の意味を知るところからで十分です。

こんな結果・お悩みはありませんか

健康診断で「eGFRが低い」「腎機能が低下している」と指摘された
クレアチニン(Cr)が基準値を超えていた、あるいは年々じわじわ上がっている
尿検査で尿タンパクが陽性(+)と出た、尿の泡立ちが気になるようになった
糖尿病や高血圧で通院していて、腎臓への影響が心配になってきた
足のむくみ、夜中のトイレの回数、なんとなく続くだるさが気になる
家族に透析を受けている人がいて、自分はどうなのか知りたい
再検査をすすめられたまま、忙しくて行けていない

ひとつでも当てはまるようでしたら、一度きちんと調べておくと安心です。腎臓は、早い時期であるほど打てる手が多く残っています。

慢性腎臓病(CKD)とはどんな病気か

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、ひとつの病名ではありません。腎臓の働きが慢性的に落ちている状態をまとめて呼ぶ言葉です。国内では成人のおよそ8人に1人が当てはまるとされていて、特別な病気ではありません。

診断の考え方

次のどちらか、あるいは両方が3か月以上続いているときに、慢性腎臓病と判断します。

腎臓の障害を示すサインがある(尿タンパクや尿アルブミンが出ている、血尿がある、画像検査で腎臓の形に異常がある、など)
eGFR(推算糸球体ろ過量)が60 mL/分/1.73㎡ 未満である

「3か月以上」という条件がついているのには理由があります。脱水や発熱、飲んでいる薬の影響でも数値は動くためです。1回の結果だけで決めることはせず、時間をおいて測り直し、経過を並べて確認していきます。

腎臓が受け持っている仕事

腎臓は左右に1つずつ、そら豆のような形をした握りこぶしほどの臓器です。小さいわりに、任されている役割は多岐にわたります。

老廃物の処理:血液をろ過し、体に不要なものを尿として外へ出します。クレアチニンや尿素窒素はその代表です。
水分と電解質の調整:ナトリウム、カリウム、リンなどのバランスを整え、体内の水分量を一定に保ちます。
血圧の管理:塩分と水分の量を加減し、血圧を上げるホルモン(レニン)の分泌にも関わります。
赤血球をつくる指令:エリスロポエチンというホルモンを出し、骨髄に赤血球をつくるよう促します。
骨の健康を支える:ビタミンDを活性化し、カルシウムの吸収を助けます。

ですから腎機能が落ちると、老廃物が溜まるだけでは済みません。血圧が上がりやすくなる、貧血が出る、骨がもろくなるといった影響が、少しずつ全身に広がっていきます。

検査数値の読み方|クレアチニン・eGFR・尿タンパク

腎臓の状態は、血液検査と尿検査を組み合わせて評価します。それぞれの数値が何を映しているかを知っておくと、結果表の読み方が変わってきます。

クレアチニン(Cr)

筋肉が使われたあとに出る老廃物です。ふだんは腎臓からきれいに排泄されますが、ろ過の力が落ちると血液中に残るため、数値が上がります。基準値の目安は男性で0.65〜1.07 mg/dL、女性で0.46〜0.79 mg/dL前後(検査機関によって多少の差があります)。
ただ、この数値だけを見るのには限界もあります。筋肉量に左右されるので、体格のよい方はやや高めに、細身の方や高齢の方は低めに出ます。しかも腎機能が半分近くまで落ちてからようやく上がり始めるため、基準値の範囲内であっても油断はできません。

eGFR(推算糸球体ろ過量)

クレアチニンの値に年齢と性別を組み合わせて計算した、ろ過能力の推定値です。腎臓が今どのくらい働いているかをパーセントに近い感覚でつかめるので、診療ではこちらを中心に見ています。ざっくり言えば、eGFR 60で6割程度、30で3割程度の働きというイメージです。
加齢とともに少しずつ下がるのは自然な変化です。気をつけたいのは下がる速さのほうで、1年に3〜5以上のペースで落ちている場合は、進行が速いものとして扱います。1回の数値そのものより、何年か分を線でつないだときの傾きを見ています。

尿タンパク・尿アルブミン

腎臓のろ過フィルター(糸球体)が傷むと、本来なら通り抜けないはずのタンパク質が尿に漏れ出してきます。尿タンパクは、腎臓のダメージをかなり早い段階で知らせてくれる指標です。
糖尿病のある方では、もっと微量な段階で拾える尿アルブミン検査が役に立ちます。eGFRがまだ保たれていても、尿アルブミンが増えていれば腎臓には負担がかかっています。この時期に手を打てるかどうかで、その後の数年の経過はずいぶん変わります。

重症度分類(G区分とA区分)

慢性腎臓病は、eGFRによるG区分と、尿タンパク(尿アルブミン)によるA区分を掛け合わせて重症度を判断します。同じeGFRでも、タンパク尿がある方が進行しやすく、心臓や血管への負担も大きくなることが分かっているためです。

区分 eGFR(mL/分/1.73㎡) 腎機能の状態
G1 90以上 正常または高値(尿の異常があればCKD)
G2 60〜89 正常または軽度の低下
G3a 45〜59 軽度から中等度の低下
G3b 30〜44 中等度から高度の低下
G4 15〜29 高度の低下
G5 15未満 末期腎不全(透析や移植を検討する段階)

A区分は尿アルブミン値(mg/gCr)で分けられ、30未満がA1、30〜299がA2(微量アルブミン尿)、300以上がA3(顕性アルブミン尿)となります。診察では「G3aのA2ですね」といった形で今の位置を確認しながら、方針を決めていきます。

症状が出にくいのはなぜか|沈黙の臓器と呼ばれる理由

腎臓には余力があります。左右合わせておよそ200万個といわれるろ過装置(ネフロン)を持っていて、一部が働かなくなっても、残りが手分けしてカバーします。腎臓をひとつ提供した方がふだん通りに生活できるのも、この余力があるからです。
その余力があるぶん、症状が出るころにはかなりの数のネフロンが失われています。沈黙の臓器と呼ばれるのはそのためです。自覚がないまま進むので、検査の数値だけが手がかりになります。

進行してから現れやすいサイン

足のすねやまぶたのむくみ(指で押すとへこみが残る)
夜中に何度もトイレに起きる、尿の量や回数が変わってきた
尿の泡立ちがなかなか消えない
疲れやすい、階段で息が切れる(腎性貧血によることがあります)
血圧が以前より高くなってきた、薬が効きにくくなった
食欲の低下、吐き気、皮膚のかゆみ、こむら返り

どれも進行してから現れることの多い症状です。まだ何も感じないうちに動けるかどうかで、その後が変わってきます。

腎機能が下がる主な原因

腎機能の低下といっても、背景はひとつではありません。原因によって進み方も対処も変わりますので、まず何が起きているのかを確かめます。

糖尿病性腎症

高い血糖にさらされ続けると、糸球体の細い血管が傷んでいきます。日本で透析が必要になる原因の第1位がこれです。初めのうちは尿アルブミンがわずかに増えるだけで、自覚症状はまったくありません。血糖の管理と早めの薬物治療で進行を抑えられる余地が大きい領域でもあります。

高血圧・腎硬化症

高い圧力が長くかかると、腎臓の細い動脈が硬く狭くなり、ろ過の力が落ちていきます。高齢化とともに増えていて、現在は透析原因の第2位です。腎機能が落ちると血圧はさらに上がりやすくなりますので、放っておくと悪循環に入ります。

慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)

免疫の働きが糸球体に炎症を起こすタイプで、若い世代でも見つかります。健診の尿検査で血尿やタンパク尿として発見されることが多く、はっきり診断するには腎生検が必要になる場合があります。治療法が整ってきている病気でもあります。

薬剤性の腎障害

市販の解熱鎮痛薬(ロキソプロフェンなどのNSAIDs)を長く飲み続けている、一部の抗菌薬やサプリメントを常用している。こうしたことがきっかけになる場合があります。心当たりのある方は、飲んでいるものを一度まとめてお持ちください。

そのほかの原因

脱水や心不全で腎臓への血流が減っている、前立腺肥大や結石で尿の通り道が詰まっている、多発性のう胞腎などの体質的な要因、膠原病や痛風(高尿酸血症)に伴うものなど、原因はさまざまです。脱水や尿路の詰まりのように、もとを取り除けば回復が見込めるものもあります。

放置するとどうなるのか|透析だけではないリスク

慢性腎臓病というと透析が頭に浮かびますが、実際にはそこへ至る前に別の問題が起きることのほうが多くあります。

心筋梗塞・脳卒中との関係

腎機能が落ちると、血圧の上昇、体に水分が溜まりやすくなること、ミネラルバランスの乱れ、慢性的な炎症などが重なります。その結果として血管に負担がかかり、心筋梗塞や心不全、脳卒中が起こりやすくなります。慢性腎臓病のある方が、透析に至るより先に心臓や血管の病気で亡くなるケースは少なくありません。腎臓を守る取り組みは、そのまま心臓と血管を守る取り組みになります。

体のあちこちに現れる影響

腎性貧血:赤血球をつくる指令が減り、だるさや息切れが出ます。
骨がもろくなる:ビタミンDの活性化が滞り、カルシウムとリンのバランスが崩れます。
高カリウム血症:心臓のリズムに影響することがあり、進んだ段階では食事の調整が必要になります。
尿毒症:末期になると老廃物が体に溜まり、吐き気やかゆみ、意識の変化などが現れます。

いずれも進行してから顔を出すものばかりです。早い段階で気づいてeGFRの下がり方をなだらかにできれば、透析が必要になる時期は大きく先へ延ばせますし、生涯必要にならない方もたくさんいらっしゃいます。

今日から始められるセルフケア|食事・血圧・生活習慣

腎臓を守るためにすることは、それほど特別ではありません。血圧と血糖を安定させ、腎臓に余計な負担をかけない。この積み重ねが、いちばん確実な方法になります。

1. 血圧を毎日はかる

家庭血圧の目安は、おおむね125/75未満(診察室では130/80未満)です。年齢や持病によって目標は変わりますので、ご自身の数値は主治医と決めておきましょう。
朝は起きて1時間以内、トイレのあと、朝食と服薬の前に。夜は就寝前に測ります。
測った値は書き留めておいてください。1回の数字より、並べたときの流れのほうが役に立ちます。

2. 減塩は「1日6g未満」を目安に

汁物は1日1杯まで、麺類のスープは残す。この2つだけでも塩分はかなり減ります。
漬物、練り物、ハムやソーセージなどの加工品、インスタント食品には塩分が集まりやすいので気をつけてください。
だし、酢、レモン、香辛料、ごまや薬味を使うと、塩を減らしても物足りなさが出にくくなります。
醤油やソースは料理にかけず、小皿に取ってつけるようにすると、使う量が半分ほどになります。

3. タンパク質との付き合い方

タンパク質を摂りすぎると、腎臓のろ過の仕事が増えます。かといって極端に減らせば筋肉が落ち、体力そのものを損ないます。制限が必要になるのはおおむねステージG3b以降で、量は医師や管理栄養士と相談しながら決めるのが原則です。自己流の制限は低栄養につながることがありますので、避けてください。プロテインパウダーや高タンパク食品を習慣にしている方は、一度ご相談いただければと思います。

4. 水分・カリウム・リン

水分は、たくさん飲めば腎臓が洗われるというものではありません。脱水は避けながら、むくみや心臓の状態に応じた適量を保ちます。持病によっては制限が必要な方もいます。
カリウムは、腎機能が落ちてくると外へ出しにくくなります。生野菜、果物、いも類が主な供給源で、調整が必要な段階になれば、ゆでこぼしなどの工夫をお伝えします。
リンは加工食品やインスタント食品に多く含まれます。無機リンは吸収されやすいため、加工品に偏らない食べ方がすすめられています。

5. 禁煙・体重・運動

喫煙は腎臓の血管を確実に傷めます。腎機能の低下を早める要因として、はっきりした根拠があります。
肥満があると腎臓は過剰なろ過を強いられます。体重が数kg落ちるだけで尿タンパクが減ることもあります。
以前は安静がよいとされていましたが、今はウォーキングなどの適度な運動がすすめられています。週3回、30分程度から始めてみてください。
脱水を招くような激しい運動や、真夏に長時間屋外で過ごすことには注意が必要です。

6. 市販薬・サプリメントに気をつける

痛み止め(NSAIDs)を続けて飲むと腎臓の血流が減り、腎機能を下げる方向に働きます。頭痛や腰痛で毎日のように飲んでいる方には、痛みそのものへの対処も含めて別の方法を考えますので、遠慮なくお話しください。腎臓によいとうたうサプリメントや健康食品にも、根拠のはっきりしないものや、かえって負担になるものがあります。始める前に一度確認していただけると安心です。

治療の考え方|腎臓を守る薬

慢性腎臓病の薬物治療は、この10年ほどで様変わりしました。以前は血圧を下げて経過を見るのが中心でしたが、今は腎機能の低下そのものを抑える薬が使えるようになっています。

血圧の薬(ARB・ACE阻害薬)

糸球体にかかる圧力をやわらげ、尿タンパクを減らす働きがあります。タンパク尿のある方では、腎臓を守る目的で早くから検討される薬です。飲み始めにクレアチニンが少し上がることがありますが、糸球体の圧が適正に下がったことによる想定内の変化である場合も多く、その後の推移を見ながら判断します。カリウムが上がりやすくなるため、定期的な採血が欠かせません。

SGLT2阻害薬

もともとは糖尿病の薬として登場しました。その後の大規模な研究で、腎機能の低下を抑え、心不全を減らす効果が確かめられ、今では糖尿病の有無にかかわらず慢性腎臓病の治療薬として使われています。余分な糖と塩分を尿に出すことで、糸球体の過剰な負担をやわらげると考えられています。飲み始めにeGFRが一時的に下がることがありますが、長い目で見れば腎臓を守る方向に働きます。

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(フィネレノン)

2型糖尿病を合併した慢性腎臓病に使われる、比較的新しい薬です。腎臓の炎症や線維化(かたくなっていく変化)を抑える働きが期待されています。こちらもカリウムの値を見ながら量を調整していきます。

合併症に対する治療

腎性貧血:HIF-PH阻害薬やエリスロポエチン製剤、鉄剤で補います。だるさが軽くなる方が多い治療です。
高カリウム血症:食事の調整に加え、必要に応じて吸着薬を使います。
代謝性アシドーシス:体が酸性に傾くのを重炭酸ナトリウムなどで整えます。
高尿酸血症・脂質異常症:腎臓と血管の両方を守る観点から管理します。

【早見表】治療の柱と役割

具体的な内容 ねらい
生活習慣 減塩・禁煙・体重管理・適度な運動 腎臓への負担を根本から減らす
血圧・血糖 降圧薬、糖尿病治療 進行のスピードを落とす
腎保護薬 ARB・ACE阻害薬、SGLT2阻害薬など eGFRの低下そのものを抑える
合併症対策 貧血・カリウム・骨・尿酸の管理 全身の状態と生活の質を保つ

※注意: ここに挙げたのは一般的な考え方の説明であり、特定の薬をおすすめするものではありません。どの治療が適しているかは、腎機能の程度、原因となる病気、持病や併用薬、年齢によって一人ひとり異なります。必ず医師の診察のうえで処方・調整を行います。現在お薬を服用中の方は、自己判断で中止・変更せず主治医にご相談ください。

当院の慢性腎臓病(CKD)診療の考え方

当院では、数値だけを追いかけるのではなく、その背景にある生活や持病まで含めて一緒に整理していきます。

1原因の見きわめ:血液検査と尿検査に加え、必要に応じて腹部エコーで腎臓の形や尿路の状態を確認します。糖尿病、高血圧、薬剤の影響など、何が主な原因かを見きわめます。
2傾きを見る診療:1回の数値に一喜一憂せず、eGFRの推移をグラフにしてお見せします。下がり方がゆるやかになっているかどうかを、一緒に確認していきます。
3生活習慣を土台に:減塩や血圧管理は、続けられる形でなければ意味がありません。無理のない範囲を一緒に探します。
4薬は必要な分だけ:腎臓を守る効果が確かめられた薬を中心に、腎機能に応じた量へ調整します。ほかの医療機関で処方されているお薬も含めて全体を確認します。
5専門医療との連携:進行が速い場合や腎生検が必要と考えられる場合には、適切なタイミングで腎臓内科の専門施設へおつなぎします。

腎臓の治療は長い付き合いになります。年単位で数値を守っていくために、通いやすさや続けやすさも含めて相談していきましょう。

よくあるご質問(FAQ)

クレアチニンが基準値を少し超えているだけでも受診したほうがよいですか?

一度は調べておくことをおすすめします。クレアチニンは筋肉量に影響されるため、わずかな上昇でも実際の腎機能はかなり落ちていることがあります。eGFRと尿検査を合わせて見れば、様子を見てよいのか、対策が必要なのかがはっきりします。

尿の泡立ちが続いています。腎臓のサインでしょうか?

勢いよく排尿したときにも泡は立ちますので、泡が出ること自体は珍しくありません。気にしていただきたいのは、細かい泡がなかなか消えずに残るタイプです。尿にタンパクが混じっているとこうした泡になりやすく、尿検査で確かめられます。気になる状態が何日か続くようでしたら、一度受診してみてください。

尿タンパクだけ陽性で、eGFRは正常でした。様子を見てよいですか?

その状態も慢性腎臓病に含まれます。尿タンパクは腎臓の傷みを早く映す指標で、eGFRが下がり始める何年も前から出ていることがあります。この段階で見つかれば、打てる手はまだ多く残っています。まずは本当に持続しているのかを時間をおいて確認し、原因を調べていきます。

一度下がったeGFRは元に戻らないのですか?

脱水や薬の影響、尿路の詰まりなどが原因であれば、そこを取り除くことで回復するケースもあります。一方、長い時間をかけて傷んだ腎臓が元どおりになることは多くありません。ただし進行のスピードは変えられます。「戻す」ことより「これ以上下げない」ことを目標に置くほうが現実的です。

どのくらいの間隔で検査を受ければよいですか?

腎機能の程度によって変わります。eGFRが60以上で尿の異常もなければ、年1回の健診で足りることが多いです。G3aのあたりでは3〜6か月ごと、さらに下がってくれば1〜3か月ごとに血液と尿を確認していきます。薬を始めたときや量を変えたときは、その前後だけ間隔を短くします。

水をたくさん飲めば腎臓によいと聞きましたが本当ですか?

腎臓の状態によります。脱水は確かによくありませんが、必要以上の水分は心臓やむくみの負担になることがあります。制限が必要な方もいらっしゃいますので、ご自身の適量は診察のときに確認してください。

タンパク質は控えたほうがよいのでしょうか。プロテインは飲んでも大丈夫ですか?

ステージによって答えが変わります。初期であれば極端な制限は不要で、むしろ筋肉を保つほうを優先します。制限が必要になる段階では、量を医師や管理栄養士と決めていきます。プロテインパウダーを日常的に使っている場合は、今の腎機能を確かめたうえで判断しましょう。

腎臓によいと言われる食品やサプリメントはありますか?

これを食べれば腎機能が上がる、という食品は今のところ見つかっていません。宣伝を見かけることはありますが、根拠のはっきりしないものがほとんどです。むしろ注意が必要なものもあります。カリウムを多く含む青汁や野菜ジュース、たんぱく質を強化した食品、甘草を含む漢方などです。何か始める前に、成分表示をお持ちいただければ一緒に確認します。

お酒は飲んでも大丈夫ですか?

適量であれば、やめなければいけないということはありません。ただ、お酒そのものより、一緒に摂る塩分やおつまみの影響のほうが大きく出ます。血圧が上がればそのまま腎臓の負担になりますので、量を決めて休肝日をつくるほうが現実的です。目安は日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本程度です。

頭痛や腰痛で市販の痛み止めをよく飲みます。やめたほうがよいですか?

たまの服用まで心配する必要はありませんが、習慣的に飲み続けると腎機能を下げる要因になります。頻度が高い場合は、痛みの原因への対処も含めて別の方法を検討しますので、ご相談ください。

造影剤を使うCTなどの検査は受けても大丈夫ですか?

腎機能によります。造影剤は腎臓から排泄されるため、数値が低い方では一時的に負担がかかることがあります。とはいえ、必要な検査を避けるほうが不利益になる場面も多く、点滴で水分を補うなどの対策を取ったうえで受けていただくのが一般的です。検査の予定が入ったときは、直近の腎機能の数値を検査先の医療機関にお伝えください。

慢性腎臓病と言われたら、いずれ透析になるのでしょうか?

そうとは限りません。多くの方は初期から中期の段階にとどまり、生活習慣と治療の組み合わせで長く安定して過ごされています。透析を検討するのは末期腎不全(G5)に近づいた段階です。そこへ至らないよう手を打つことが、今の治療の目的になります。

腎機能・eGFRが気になる方へ|受診のご案内

腎臓は、痛みや不調で知らせてくることがほとんどない臓器です。健康診断の結果表に並んだ数字が、体からの数少ないお知らせになります。「要再検査」の文字を見ないふりをしているうちに、時間だけが過ぎてしまうこともあります。

早い段階で気づけば、できることはたくさんあります。血圧を整えたり、塩分の量を見直したり。どれも派手さはありませんが、5年後、10年後の数値には差が出てきます。

eGFRやクレアチニンの数値が気になる方、尿タンパクを指摘された方、糖尿病や高血圧で腎臓への影響が心配な方は、どうぞお気軽にご相談ください。健診の結果をお持ちいただければ、これまでの経過も含めて一緒に確認いたします。

本ページは腎機能と慢性腎臓病に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や検査値、お薬については、必ず医師にご相談ください。

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