糖尿病のHbA1cとは
どんな検査?
基準値や正常値
-診断・治療目標
糖尿病のHbA1cとは?
糖尿病の診断・治療目標として大切なHbA1cがどういった値なのか知りたい方、健康診断でHbA1cの異常を指摘され心配・不安でしょうがない方、糖尿病の治療がうまくいかない方、糖尿病についてきちんと知りたい方などに向けての記事です。
目次
HbA1cとはどんな検査?
HbA1cのことを知りたい!
糖尿病を、HbA1cを少しでも良くしたい!
HbA1cって、そもそも何ですか??
HbA1cは糖尿病の診断・治療目標に用いる
重要な検査数値
糖尿病を診断するために、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を調べます。
診断や治療効果をみるために、大切な検査値です。
血液検査で調べることができます。
職場の健康診断でも検査項目に入っていることがあります。
インスリンの不足や働きが低下し、高血糖状態となり、糖尿病は発症します。
動脈硬化、腎不全、神経障害、失明を含め、全身への影響があります。
食事・運動療法がうまくいかないと、薬を飲んだり、インスリン注射で血糖値を低下させなくてはいけません。
ブドウ糖は血液中で赤血球中のヘモグロビンというタンパク質と結合します。
血糖値が高くなるとヘモグロビンに結合するブドウ糖が多くなります。
ブドウ糖が結合したヘモグロビンが増えると、HbA1cも増加します。
HbA1cは約1〜2ヵ月の血糖値の平均的な指標・結果です。
HbA1cは1〜2ヶ月間の血糖値の状態を反映しています
HbA1cと血糖値はどう違うの?
HbA1cは血糖値が高い状態が続くと高くなり、血糖値が低い状態が続くと低くなります。
血糖値はお食事を食べた後は高くなりますし、しばらく食べなければ低くなり、安定していません。
血糖値はHbA1cに比べ変化が大きく、安定しないことも多いため、診断や治療目標としてはHbA1cを用いることになっています。
HbA1cは1〜2ヶ月間と比較的長い期間の血糖値の推移・状態を反映しています。
比較的長い期間の血糖値を反映しているので、血液検査直前に食べても、HbA1cはあまり変化ありません。
HbA1cを調べることで、この1〜2ヶ月間の血糖値の推移・状態、つまり食生活・生活習慣やお薬の効果について評価することができるのです。
HbA1cの基準値・正常値は
いくつでしょうか?
HbA1c、健康診断の検査結果では
いくつぐらいでしたか?
HbA1c 6.5%以上で糖尿病の可能性があります
HbA1cが高くなってきたら、食事を気にしましょう
HbA1cは糖尿病の診断基準にも使われています。
検査結果が6.5%以上の場合は『糖尿病型』にあたります。
HbA1c 6.5%以上が複数回確認されたり、同時に検査した血糖値が高ければ、『糖尿病』と診断されます。
HbA1cは糖尿病の診断基準にも使われています。検査結果が6.5%以上の場合は『糖尿病型』にあたります。HbA1c 6.5%以上が複数回確認されたり、同時に検査した血糖値が高ければ、『糖尿病』と診断されます。
HbA1cが6.4%以下だからといって、気にせず何でも食べていいわけではありません。
糖質(甘い物)、炭水化物、お酒を摂り過ぎないことで、体重をコントロールし、血糖値も上げないよう心がけていきましょう。
HbA1cが高くなり糖尿病と診断される前から、食後高血糖に注意するなど糖質を正しくとるようにする習慣はとても大切です。
食後に血糖値が高くなる食後高血糖が続くと、糖尿病の合併症(大血管症)である、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)、脳血管障害(脳梗塞や脳出血)になりやすいとも言われています。
HbA1cの糖尿病の治療目標はいくつ?
HbA1cとりあえずどこまで下げればいいのか?
糖尿病の治療目標はHbA1c 7.0%未満です
糖尿病の合併症を悪化させないとされているのが、HbA1c7.0%未満
HbA1cコントロール目標値
目 標 | HbA1c(%) |
---|---|
血糖正常化を目指す際の目標 | 6.0未満 |
合併症予防のための目標 | 7.0未満 |
治療強化が困難な際の目標 | 8.0未満 |
HbA1cはいくつ程度なら大丈夫でしょうか?
糖尿病の治療がうまくいっているのはHbA1c 7.0未満とされています。
HbA1c 7.0以上では、糖尿病の合併症が進行するとされているからです。
もちろんすべての方にこの治療目標をあてはめてはいけません。
高齢者など厳密な治療の維持が難しい場合は、HbA1c 8.0未満を目標としています。
HbA1cだけではなく、食後血糖値も大切⁉
HbA1c7.0%未満だけじゃなく、
食後高血糖も気を付けましょう
HbA1cが7.0%未満なら安心して構わないでしょうか?
HbA1cが7.0%未満は、糖尿病の合併症(細小血管症)である糖尿病網膜症、糖尿病神経障害、糖尿病腎症を進行させないための目標数値です。
しかし、HbA1cの値が同じでも、食後血糖値が比較的高い方と、比較的低い方に分かれることがわかっています。
そして、HbA1cの値が同じでも、食後血糖値が比較的高い方の方が、糖尿病の合併症(大血管症)である、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)、脳血管障害(脳梗塞や脳出血)になりやすいという報告もあります。
食後高血糖となる方の脂質異常症、血圧管理をしっかり行い、喫煙などの生活習慣も改善することが、大血管症の予防には有効なのかもしれません。
現時点では、HbA1cの治療目標は7.0%未満とされていますが、血糖値の考え方含めて今後変わってくる可能性もあると思います。
食後血糖の急激な上昇を抑えるために、早食いをしないこと、きちんと野菜から食べるようにすること、よく噛むことなど、日頃からできることがたくさんあります。
HbA1cはどこで検査することができるの?
病院やクリニックで血液検査をすれば
検査することができます
HbA1cを調べたい!検査したい!
血液検査で調べることができます
職場や雇入れ時の健康診断でHbA1cが血液検査の項目に含まれていないことがありますが、どうしたらいいのでしょうか?
HbA1cが血液検査項目に含まれていなくても、血糖値や尿糖は調べているかと思います。
それらに異常がなければ、ひとまず安心して構わないと思います。
それでも心配な方は、病院で血液・尿検査を再度受けてください。
糖尿病について心配な方は、当院でも血液・尿検査を受けることができます。
5〜6時間前後お食事を摂らないでお越しください。
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著作・監修
大場啓一郎
- 医学博士
- 医療法人社団若葉堂 理事長
- 大場内科クリニック 院長
「なんでも話し合える相談できるかかりつけ医」
病院嫌い、病院が苦手な方でも
通院できるクリニックです。
糖尿病を中心とした生活習慣病の診療を受けることができます。
糖尿病は生活習慣の見直し、食事・運動習慣の改善など、患者さんと相談しながら行っていくことが得意です。
糖尿病のみならず、高血圧、脂質異常症(高コレステロール血症、高脂血症)、痛風・高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群などの診療も行っています。
大場内科クリニックはJR相模原駅徒歩1分とアクセス抜群です。
予約なし、紹介状なしで気軽に受診することができます。
内科・糖尿病を中心として呼吸器内科、循環器内科、消化器内科など幅広く診療しています。
いびき・睡眠時無呼吸症候群、在宅酸素療法、禁煙外来などの専門外来も併設しています。