『生理でも大丈夫?』健康診断の疑問 - 大場内科クリニック
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2020.06.16(Tue) - 11:28 - 11:28 am

『生理でも大丈夫?』健康診断の疑問

健康診断、生理の時に受けても大丈夫でしょうか?

生理のときの尿検査

やっぱり、キャンセルして予約の取り直しが必要!?

どうにかならないでしょうか?

「せっかく予約した健康診断。その日は、生理かもしれない」
「仕事を抜けて健診いくなら、今日しかない!と思ってたのに、アレが来てしまった」
「一旦キャンセルか、後日尿検査だけやり直し?」
「健康診断なんかに手間も時間をかけたくない。なんとか、生理でも健康診断受けられないかなぁ」

ただでさえ忙しいあなた、やることは他にもたくさんあるのに、しかも健康診断の提出まで時間がない。
生理でも、健康診断はできるのでしょうか?

健康診断の項目には通常尿検査が含まれています。
生理中だと、尿を採るとき、検査のカップに血がはいってしまうかもしれません。
生理中の方は尿潜血や尿蛋白が陽性となってしまいますが、これでは月経血のためか病気があるためかわかりません。

尿に血の混じる血尿は、尿を作る腎臓や尿の通り道の病気のシグナルです。
小学校の頃からお馴染みで軽視しがちな尿検査も、ガンをはじめ、隠れた病気を探す大切な機会なのですが、生理の血が混ざってしまうと、正しく判断できなくなってしまいます。
生理中の女性の方は、なるべく生理が終わってからの健康診断受診をお勧めしますが、急いでいる方などそうも言っていられないのが実情です。

じゃあ、生理の時は健康診断受けられないんですね?

必ずしもそうとも限りません。
妊娠している方が職場への結果提出が必要な健康診断を受ける際に、胸部エックス線検査を受けなくてもいいように、検査について「考慮」してもらうことはできるかもしれません。
生理の時の健康診断の尿検査、どう考えたらいいのでしょうか?
尿検査で尿潜血陽性とはどういうことなのか?
あなたはどうすべきなのかについて、こちらで紹介していきます。

医師がすすめる!健康診断の時に生理になってしまったら?

尿に血が混じっていたら、どんな病気が隠れている可能性があるのか?

それは本当に生理による尿潜血なのでしょうか?

健康診断の日が生理の日と重なってしまっていたら、生理が終わってすぐに健康診断の日を迎えてしまっていたら、尿検査で尿潜血陽性と判断されることも少なくありません。
尿潜血陽性とは、ご存知の通り、尿の中に血が混じっていると言うことです。
ではどんな時に尿の中に血が混じるのでしょうか?

膀胱炎

女性に多く、排尿時の痛みと残尿感、下腹部痛、腰痛等の症状があります。
尿検査では、尿潜血、尿中白血球、尿タンパクも陽性となることがあります。
抗生物質の内服や、一部の漢方薬が効くこともあります。

膀胱炎を何度も繰り返す女性は少なくありません。
内科や泌尿器科、産婦人科等で診療を受けることができます。

腎結石・尿路結石

腎結石、尿路結石と言う診断名を聞いたことはありますか?
腎臓は尿を作る臓器です。背骨の左右にある臓器で、毎日たくさんの尿を作っています。

尿の中に体の老廃物を捨て、血液や体の状態が常に一定の状態となるように、様々な調整をしています。
腎臓でできた尿が膀胱へとたどり着くまでに通る細い管を尿管と言います。

そして、腎臓、尿管には時々石ができてしまうことがあります。腎臓結石、腎結石、尿管結石、尿路結石などと言われます。
それが原因で尿の中に血が混じることがあります。尿潜血が陽性となってしまいます。
腎結石、尿管結石の診断は腹部超音波や腹部単純エックス線などでおこないます。

腎結石、尿管結石には、直ちに治療を要するものは多くはなく、内科や泌尿器科にて相談することができます。

慢性腎炎など

腎臓から血尿が出ていることもあります。
腎臓に何かしらの病気がある、もしくは体質的なもので、たびたび血尿を繰り返す方がいます。

昔から健康診断で尿潜血が指摘されている、
いつも健康診断で潜血が見られているからまぁ問題ないやと詳しく調べず放置している方が度々見られます。
尿鮮血は、腎臓に何かしらの病気がある1つの兆候かもしれません。
CT検査、腹部超音波検査、血液検査、尿検査、などで詳しく調べます。
腎臓内科、泌尿器科などを受診しましょう。
まずは、かかりつけの医師に相談してみることもおすすめします。

腫瘍

腫瘍があるために血尿が出ている患者さんもいます。
腎臓、尿管、膀胱など尿の通り道に腫瘍ができると血尿が見られることが多いです。
多くの場合は痛みを伴わず、肉眼で尿が赤く見えることもあります。
若い方の確率はあまり高くない病気ではありますが、実際は腫瘍の可能性も含めて尿潜血を調べることが多いようです。

CT検査、腹部超音波検査、膀胱鏡検査、採血・尿検査、尿細胞診などが行われます。
腎臓内科よりは、泌尿器科で診断・検査・治療が行われることが多いようです。

このように、尿潜血の原因には様々な病気があります。
毎年尿潜血が見られていて、体調に変化がないから放っておいていいや、病院に行って調べるのがめんどくさいなどと言わず、尿潜血が見られたら一度病院へ受診し、調べてもらってください。

血尿を放っておいてはいけません

繰り返しになりますが、健康診断の日に生理が重なってしまったり、生理が終わってまもないのに健康診断の日を迎えてしまったりしたら、尿鮮血で陽性となることがあります。

生理の前後だから尿潜血陽性となっていると思われますが、今まで述べてきたような病気が隠れている可能性があります。
健康診断の日に生理が重なってしまったら、もう一度、クリニックや近くの病院を受診し、尿検査を再度受けてみてもいいかもしれません。

当院の対応

再検査は自己判断

当院では生理中の方が尿検査を受けられても、必ずしも『要再検査』とはしていません。
もちろん、何かしらの病気が疑われる方には、もう一度検査をしてもらいます。
高血圧、肥満、肝機能障害、糖尿病や尿検査異常歴などがあれば、『要再検査』とすることが多いですが、それ以外の方は『異常なし』として、再検査は自己責任でお願いしています。

「ほんの1滴くらい生理が混ざってしまっても、黙って渡してしまえば、看護師さんの目には分からないだろう」
そんなことを考える人もいるかもしれません。
なぜかというと、
「生理なのに検査に来たなんて、秘密にしておいた方がいいだろう」
と、後ろめたく思っているからではないでしょうか。

検査に来たことを悪く思う必要も、生理を秘密にする必要も、ありません。
それに、生理を秘密にしたせいで、あとから、おかしな診断結果が届いたら、困りますよね。

当院では生理でも、再検査は自己判断ですので安心して、看護師に「生理です」とお伝えください。
生理の重い身体で、仕事もいそがしい中、せっかくがんばって健康診断に来たのですから。